2011年十大ニュースと不正事件

 2011年も師走となって、忘年会等の挨拶のネタ探しなどの意味もあり、今年を振り返った。何といっても3月11日の東日本大震災福島原発事故の記憶が圧倒的だ。その他に何があったかということで、読売新聞の「読者が選ぶ十大ニュース」(http://www.yomiuri.co.jp/feature/2011news10/?from=yoltop)を見た。12月19日までの読者の投票により十大ニュースを決めるということで候補が載っている。11月までのできごとの中から、日本の十大ニュース候補として63件、海外の十大ニュース候補として48件が列挙されている。
 これらの候補リストを見ていて感じたのは、2011年の日本では「不正」な事件が多かったことだ。併せてITがらみの事件も目立った。以下、説明する。
 「不正」という語が適切かは自信がないが、ここでは「人が意図的に法や倫理に反することをする」事件を指すこととする。私の感覚で不正事件と考えたものを以下にピックアップする。[ ]内は意図的に不正をした人である。なお、全63件のリストのページは、読者投票が終ると削除される可能性もあるので、ダウンロードしてテキストファイルとし、添付した。ご参考までに。
2011年10大ニュース候補.docx 直
〇 不正事件リスト(2011年)

 最後の「ソニー」の事件は、国内ニュースではなく海外ニュースの中で取り上げられているものだが、日本関係なので加えた。これで不正がらみは合計12件となる。この12件のうち、6件(八百長、不正入試、証拠改ざん、やらせメール、サイバー攻撃2件)がIT関係であることも注目される。補足説明すると「八百長」の小道具は主として携帯メール、「証拠改ざん」の対象もフロッピーディスクなので、IT関係だ。
 なお、3月の「前原外相の外国人献金」、3月の「福島第一原発事故」、3月の「みずほ銀行のシステム障害」、5月の「JR北海道の特急脱線炎上」、7月の「松本復興相の失言」、9月の「羽田空港管制官の情報漏洩」、9月の「鉢呂経産相の失言」は、違法又は倫理的に問題ではあるものの、意図的ではなかっただろうということで外した。また、1月の「小沢元代表の強制起訴」、4月の「ライブドア堀江元社長の実刑確定」は、違法かつ意図的な事件ではあるものの、事件と判決が今年でない、ということで外した。
 2011年の不正事件は、全64件(ソニーの海外も入れる)の候補ニュース中12件で19%だ。前年度まではどうだったろう。同じ読売新聞のウェブページには、2010年と2009年の30大ニュースへのリンクが出ている。読者投票の結果での上位30位だ。それを見ると不正事件は、2010年が30件中4件で13%、2009年が30件中3件で10%だ。私が不正事件としてカウントしたのは、2010年のニュースでは「尖閣諸島の中国漁船の衝突、そのビデオのネット流出」(1位)、「力士の野球賭博」(8位)、「証拠改ざんで元検事を逮捕」(9位)、「2児を放置し死亡させた母親を逮捕」(29位)の4件。2009年の分では、「酒井法子覚せい剤所持で逮捕」(5位)、「英国人女性死体遺棄の市橋容疑者逮捕」(11位)、「鳩山氏の偽装献金発覚」(25位)の3件だ。
 2011年は不正事件が多くなったとの私の感想が裏付けられた。ただ、正確な比較は、2011年のこの60件あまりの候補が読者投票によってベスト30に整理された後で比較することが必要だ。しかし、私の予想では、上記の不正事件リストのうち相当部分がベスト30に残りそうだ。そうすると2011年の19%の比率はもっとアップすると思われる。
 また、ITがらみの事件は、前述のとおり2011年は6件だが、2010年、2009年のうちでは、2010年の「尖閣ビデオYouTubeへの流出」の1件だけのようだった。
 まとめると、2011年のニュースの新しいポイントは、東日本大震災福島原発事故に加え、不正事件とITだ。