オリンピック日本人メダリストの出身地

 ロンドンオリンピックは、日本時間7日朝で11日目を終え、12日の閉会まで残り数日となった。今朝は女子サッカーのなでしこの決勝戦進出で盛り上がった。その他の日本選手団の活躍も、7日朝時点で、金メダル2、銀メダル12、銅メダル14の計28個と誠に目覚ましい。
 メダリストの地元も大歓声で、その状況はテレビで伝えられている。その地元の大半が地方なので、東京出身のメダリストがいないのかと思って調べて見た。本当はこのオリンピックが終った後の最終データで整理すべきだが、途中でも少し面白いかと思って報告する。
 メダリストの出身地分布を調べるために上述の28個のメダルのうち、チーム競技や団体(体操、水泳等の一部)、ダブルス(バドミントン等)は外し、1人で行う個人競技だけをピックアップすると、金2、銀8、銅12の計22個となる*1
 各メダリストについて、JOCのHPにある選手の出生都道府県を調べると、ランキングは次のようである。参考のため元の表ファイルを添付する。
メダリスト出生地.xlsx 直

個人競技のメダルの出身地別獲得数(2012/8/7朝(日本時間)で確定した分)
1位 福岡県4個、2位 大阪府3個、3位 栃木、埼玉各2個、以下、1個の都道府県は、概ね南から、宮崎、愛媛、山口、広島、兵庫、静岡、石川、神奈川、群馬、青森、北海道。

 注意すると、これはメダルの数であって、メダリスト数としては、体操の内村選手(福岡)、背泳の入江選手(大阪)、平泳ぎの鈴木選手(福岡)が各2個のメダルを得ているから19名だ。従ってメダリスト数のランキングは、福岡、大阪、栃木、埼玉の4府県が各2個の同率1位となる。テレビの地元の熱狂振りの中継を見て感じていたように、東京からのメダルは無い。
 次いで比較のため、a)全選手の出身地構成、b)過去の状況を調べた。
a) 今回の選手団の出身地別ランキングは、ヤフーのページに出ている(ただし上位5位のみ)(http://london.yahoo.co.jp/player/ ただし出ているフレームは探さないといけない)。

順位 出身地 割合 人数
1 東京都 9.2% 27名
2 大阪府 6.4% 19名
2 神奈川県 6.4% 19名
4 埼玉県 5.1% 15名
5 北海道 4.4% 13名

   (日本選手合計293名)
 最大の規模を誇る東京からのメダリストがいないのは寂しいが、東京からは団体の選手が多いのかも知れない。
b) 過去のメダルの出身地別状況を調べている人がいる。
DIAMOND online (第212回) 2012年7月31日「日本のオリンピック初出場から100年。全国47都道府県・個人競技メダル獲得ランキング」 相沢光一 [スポーツライター] (http://diamond.jp/articles/print/22309)
 これによれば、2012年のストックホルム・オリンピックに日本が初参加して以来、2008年の北京までの間に得たメダル(夏季大会のもの)は362個(金123、銀112、銅127)で、そのうち個人競技のメダルに限ると307個(金110、銀94、銅103)だ。この307個の出身地ランキングは、

1912年−2008年の個人競技の出身地別メダル獲得数 (相沢光一氏による)
○ 金メダル獲得数。一番多いのは北海道と愛知で9個。以下、3位=東京(8個)、4位=秋田・茨城(7個)、6位=新潟・福岡(6個)、8位=熊本・大阪(5個)、10位=青森・群馬・奈良(4個)、13位=静岡・和歌山・広島・鹿児島(3個)。
○ 金・銀・銅の合計メダル獲得数。1位は東京で26個。以下、2位=大阪(23個)、3位=秋田(20個)、4位=愛知・福岡(16個)、6位=新潟(14個)、7位=北海道(13個)、8位=静岡・岡山(12個)、10位=青森・神奈川(11個)、12位=和歌山(10個)、13位=茨城(9個)、14位=鹿児島(8個)。

 なお、Wikipediaにも、過去の金メダルについての出身地別ランキングが出ている(この出身地と出生地とは微妙に違うようだ)。銀、銅については、メダリストの出身地はリストに掲載されているが、ランキングは無い。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%A4%8F%E5%AD%A3%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E9%87%91%E3%83%A1%E3%83%80%E3%83%AB など
 選手構成からも過去のメダル歴からも、東京のプレゼンスは大きいのに、今回のロンドンではどうなっているのであろうか。これから予定される個人競技の選手の出身地を見ると、東京からのメダルが期待できるのは、女子レスリングの浜口京子だけかと思われる。活躍を期待しよう。

*1:ダブルスなどを外すのは残念だが、後述の他の統計もこのような個人競技だけを対象にしている。