貼り合せ葉書

 かねてこの11月に相当数の挨拶状を出す予定だった。迷っていたのは葉書で出すか封書にするかだったが、封書だと切手代が80円と割高なのでできれば避けたい。問題は挨拶状の文面が葉書に印刷できる量に収まるかどうかで、文案を作ってみると1000数百字になりそうだ。自分の所によく来るびっしり書き込んだ葉書の文字数を数えると800字程度しかない。しかも文字のポイントが極めて小さく、かつ行替えも節約のせいか少ないので、相当読みづらい。では封書かと妥協しそうになったが、ダイレクトメール(DM)で使われている貼り合せ葉書が個人でも使えるかと調べて見た。
 結論は貼り合せ葉書を使って発送したが、以下、1)貼り合せ葉書について説明し、関連するトピックとして、2)シール型切手、3)プリンターのトラブルについて述べる。
1) 貼り合せ葉書
 例によってウェブで調べると、やはり大半が企業向けのサービス(印刷も含めて)だが、個人向けに用紙を売っているのもある。「圧着葉書」と名付けているのもある。
 結局、アマゾンで1組25円で買えるので次を選んだ。「サンワサプライ」の「インクジェット用シークレットはがき」という。葉書の切手代50円に加えて75円。もし封書なら、切手代80円に封筒、便せん代がプラスされるので、これは割安だ*1
http://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=JP-HKSEC13&cate=1&keyword=JP-HKSEC13

 貼り合せのイメージは、往復はがきサイズの用紙と貼り合せ用シールが1組で、用紙に印刷ないし手書きした後、貼り合せ用シールを内側に貼って折りたためば50円切手で送れるというものだ。文面を書く所は、普通の葉書の1面に対し3面ある(両者とも宛名面の一部も使える)。説明を読むと、商品名にもあるように、シークレットや個人情報保護をウリにしているが、書ける情報量の多さで採用する人(殆どが企業か)も多いのではなかろうか。コストの安さを余り謳わないのは、日本郵政に遠慮してのことかと推測する。この2面折りの他に、3面折りというかZ折りというのもあるが、一般個人向けではなさそう。
 書ける量の多さと郵送料の低減という意味では、郵便局に「ミニレター(郵便書簡)」というのがある。 http://okepi.net/help/miniletter.html 葉書の3倍の量が書け、用紙も含めて郵便料60円というのは魅力だが、用紙の形が特殊で、とてもプリンターで印刷できるとは思えない。手書き用だ。
 私の挨拶状は、結局約1,200字を10ポイントの活字とし、段落間の0.5行のスペースも入れた2面で、割にゆったりした仕上りとなった(私の欲目だが)。もう1つの面(宛名面の横、折りたたむと裏側になる)を使ってもっと長く書くこともできたが、冗漫になりそうなので止めた。代りにゴミ箱に捨てられないように「DMではありません」との注書きを入れた。紙面があるので、写真などを入れることもできたが、時間が無いので断念。
2) シール型切手
 今回の案内状では、切手にも少し凝った(私の好みで「料金別納」というスタンプは使いたくない)。デザイン面ではなく機能面だ。
 郵便局で売っている切手には、裏面に糊を付けたシートにミシン目を入れて売っている切手の外に、数年前から目立ち始めたと思うが、「シール型切手」がある*2。「切手型シール」という紛らわしいものがあるが、これは切手ではなく、郵便物には使えない。
 シール型切手の利点は、a)水ないし舌(つば)を使わなくていいので清潔で手が汚れない、b)形が矩形以外にフリーに決められるということだ(人形の形とか自由自在)。ただ使用後の台紙がゴミになるので、地球には優しくない。あまり種類が無く、季節でどんどんデザインが変っていく。私にとっての問題は、子供向けのデザインばかりで、成年男子が使えるようなものが殆ど無いことだ。普通は、キティ、ディズニーとか言ったデザインだ。それでも時々は何とか許せるデザインが出るので、妥協して買っている。今回は「秋のグリーティング」というテーマの10種類1組のシール(50円×10枚)で、まあギリギリ許せるものだ。
 郵便局のお姉さんに、「シール型切手はいいけれど、男でも使えるデザインが無くて困る」とクレームを言った。すると、デザインについてのコメントは無かったが、シール型は好きで、自分が使う時は全てシール型だと、私に同感してくれた。日本郵政ももっと一般的なデザインを売ればいいのにと思う。
3) プリンターのトラブル(非純正インクの問題)
 上述の貼り合せ葉書の印刷を始めた所、数十枚目の辺りでインクが薄くなり、遂には出なくなった。いろいろチェックすると、カラーは出るのに黒色だけ駄目だ(今回の印刷はモノクロ)。取扱説明書を見ると、プリントヘッドのノズルの詰りの可能性があるので「クリーニング」をしろとある。駄目ならもう1度クリーニング、更に駄目なら「強力クリーニング」というツールを使え、それでも駄目なら電源を切って24時間待ち、再度「強力クリーニング」だ。24時間は待たなかったが、1夜寝て10時間待ち、再度の「強力・・・」までしたが、黒インクだけ出ない。これはいよいよ故障だと観念し、保証書を取り出した。
 このプリンターはキャノンのPIXUSシリーズの「MG6130」(インクジェット方式)で、ちょうど2年前の11月に新宿のヨドバシカメラで買ったものだ。メーカーの保証は1年間だが、たまたまヨドバシの5年間延長保証サービスに入っていた*3。ヨドバシに電話したら、この商品の場合、店に持ち込んでとのこと。9.8kgもの重いものを持っていくのも憂鬱と思いつつ、保証書等を読んでいたら、キャノン製以外の消耗品を使っていたことによる故障は、保証の対象外だと書いてある。実はインクは、1年以上キャノンの純正品ではなく、別会社製の非純正品(互換品)を使っている。これが原因だろうか。
 新宿に10kgのプリンターを運び込む前に、ダメモトと思い、(下駄履き感覚で行ける距離にある)コジマ電気に純正インクを買いに行った。黒の純正インク1本だけを買って帰り取り替えたら、全く問題なく動き、残りの印刷は全て順調に終った。取り替えた非純正インクは、残量が半分以上残っているのが見え、もったいない。
 純正インクと非純正インクとの違いは何かをウェブで調べたら、メーカー側の説明は、純正の方がきれいに印刷でき、故障が無いとある。ヤフーなどの質問コーナーでも多く掲載されている。非純正インクは純正に比して粒子が粗く目詰りの可能性があると書いている人が多いが、それでは今回の私のように、純正インクに替えたら途端に動き出したことへの説明がつかない。純正インクにはICチップが付いていて残量を管理しているが、非純正にはそれが無く、従ってプリンターは残量があっても感知できずノズルを止めてしまうと書いたのがあったが、私の経験から言うとこれがもっともらしい。
 付いているICチップの目的は、非純正品を認識し、それを除外するためと思われてもしょうがないのではないか。今のキャノンのプリンターのインクは6個セットだが、コジマ電気の店頭で見ると、純正品の6個パックは5,280円で相当の価格だ。純正品の消耗品で稼ぐというビジネスモデルだろう。互換品(非純正品)は3,680円と3割も安い。庶民の味方だ。
 残りの5色の非純正インクが出なくなるのも時間の問題か。純正インクに順次切り替えて行かなければならない。それとも、別の非純正品メーカーのもので、キャノンのICチップのチェックを逃れられるものがあるのだろうか*4
 このプリンターは、2年前に前のプリンターが故障したので買い替えたものだが、前のプリンターは今と同じキャノンのPIXUSシリーズで、2004年に買った。無線LAN対応なこと、居間に置いてごつくはない直方体のデザインであることから選んだものだ。何年か経って非純正のインクがあることを知ってからは、当初おずおずと、次第に当然のごとく非純正に切り替えていた。6年経って動かなくなった態様を具体的には覚えていないが、今思うと非純正インクが原因だったのだろうか。そうだとすれば、純正インクにすればまた動き出したのだろうか。今となっては何とも判らない。

*1:私の愛用している2窓付きの窓開き封筒「マドパック2」は、文房具屋さんで買うと1枚30円以上する。

*2:シール型切手は、日本では1989年から始まったそうだ。 http://yushu.or.jp/museum/mame/2004.htm

*3:確か10%ぐらいのヨドバシの購入ポイントのうち5%分のポイントを使用して、メーカーの保証期間を延長して保証するもの。5年間で1回しか使えない。当時、店員の甘言に釣られて使ったが、その後は、何となく無駄な気がして殆ど使わない。

*4:今の互換性インクは、(株)オーム電機製の、型番:OHM-C326+325-6P、品番:01-3150。キャノンの純正インク BCI-326+325の互換用と明記してある。