三菱銀行のインターネットバンキングの改悪

 今日たまたま三菱銀行(正しくは三菱東京UFJ銀行)から電話が掛かってきた。インターネットバンキングでの振込限度額の引下げを勧めるとのことだ。それで私は頭にきて、電話の相手方にかねての憤懣をぶつけてしまった。
(振込限度額の引上げの手続き)
 2-3か月前から、三菱銀行が文書やウェブで案内しているが、たまたま昨日の4月13日(日)から、インターネットバンキングでの振込*1の上限額を引き上げる際には、書面での手続きが必要になった。
http://direct.bk.mufg.jp/info_news/20140228_gendogaku/index.html
 従来は、振込上眼額の引上げもネット上での手続きが可能だった。具体的には、普通の振込などのセキュリティチェック(配布されている暗証コード表から、その都度指定される位置の番号を入力する)よりはややセキュリティ度の高い手続きをすることとなっていた。従って私は従来、通常は限度額を低めのレベルとし、たまに必要となる多額の振込の時は、そのやや複雑な手続きをして限度額を上げ、振込が終ればまた元の低いレベルに戻していた。これで利便性と安全性の(最適な)バランスを図っていた積りだった。
 今回の改訂で、限度額を引き上げるためには、支店の窓口に行くか、郵便で手続き書類を取り寄せるなどしなければいけない。これは、a)混んだ窓口で待たされる、b)直ぐにはできないし、祝祭日、時間外にはできない、という問題点があり、改悪だ。私は、この4月13日の改悪の前に対策として、(通常の)限度額を大幅に引き上げるという自衛策を取った。利便性のためだが、安全性が劣ることとなったのは否めない。
(担当嬢への不満)
 冒頭の電話の担当嬢にぶつけたのは、上記のように高い限度額に変更するというリスクのある状態にさせられた不満に加え、次のことだ。
a) 支店の無い所に住んでいる人や弱者には大問題。
(私) 病人、身障者、高齢者にとって、遠くかつ混んだ支店に行くのは酷だ。代理を頼まなければいけなくなる。また、支店で多額の残高のある通帳を人に見られたり、(高めの振込手数料を節約するため)現金を持ち運ぶことになれば危険が高まる。自宅でのインターネットバンキングは、安全度の高いもので、それの利便性を大幅に低めるのは問題だ。
b) 従来の方法でどのような危険があるか。
(三菱) 偽メールでパスワードを記入させる被害が発生している。
(私) 偽メールとかフィッシング詐欺は、利用者がある程度気をつければいいことだ。暗証コード表による現行のチェックは相当安全度が高いと思う。騙されて暗証コード表をメール等に書き込むなどは利用者も非常識だ。
ちなみに、利用者が対策を講じられないのは、暗証番号等を通信で傍受されることだろうが、そのような被害の実績はあるのか。
(三菱) 無い。
(私) それでは、偽メールでの被害実績は?
(三菱) 答えられないことになっている。
c) その他の対策
(私) 三菱銀行が最近勧めている暗証番号の変更*2と「インターネットバンキング専用のウィルス対策ソフト−Rapport(ラポーと)」もインストールした*3。このように銀行が推奨する対策を講じている。今までどのような被害実績があり、それにどの程度の対策となるものか。
(三菱) 答えられないことになっている。
d) 他行の対策
(私) 先日、三井住友銀行の支店で、振込限度額の引上げをネットでできなくするとの三菱銀行と同様の措置を考えているかと聞いたら、予定はないと言っていた。他行での対策はどうなっているか。*4
(三菱) 他行のことは知らない。
(私) 横並び体質の銀行として信じられない*5
(私の対策の変更)
 上述のように、三菱銀行の今回の改悪に備えて、先月、私は限度額を割に高めに引き上げた。しかし、今回このブログを掲載するに当り、どんなことで私の口座が狙われるか判らないと心配になった。万が一を考え、今日、限度額を通常レベルに引き下げることとした。今後不便なことが出てくるかも知れない。避けようとするなら書かなければいいようなものだが、(ブログの)ネタギレ状況の身としてはしょうがない。

*1:インターネットでの振込は、窓口の混雑が無い、祝祭日、夜間も可能ということで、その便利さは計り知れない。

*2:インターネットバンキングの暗証番号は、従来の数字4桁から、8桁以上でかつ記号も入れなければいけないと面倒になっているが、私は先月これを行った。

*3:http://www.bk.mufg.jp/

*4:三井住友銀行は、昨2015年10月から、新たなセキュリティ対策としてワンタイムパスワード方式を導入した。私も この3月に申し込み、そのパスワードを表示するパスワードカードを入手した。1分間だけ有効の使い捨てパスワードで、若干面倒だが安全度は高いようだ。私は現状では、このワンタイムパスワード方式が最善ではないかと思う。限度額の引上げもネットで可能だ。 これにより他行が用いている暗証コード表は不要になった。 http://www.smbc.co.jp/kojin/direct/passca.html#a01

*5:3大メガバンクの3つ目としてはみずほ銀行があり、私も口座を持っている。しかし、いまだ合併の後遺症を引きずってシステム統合の計画を延期(2016年春から2017年春へ)せざるを得ない状況では、セキュリティ対策もなかなか先端的なものを導入できないであろう。 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140227/fnc14022711010004-n1.htm (大新聞のウェブページは有料会員専用の記事が多くて、ウェブページの紹介には躊躇する。産経新聞がオープンな姿勢を継続するのを期待している)