聖者たちの食卓

 新聞の書評で評判がよかった映画なので見に行った。以下、1) 映画自体の話(少し)と、2) 新しい映画館予約システムについて経験談を述べる。
1) 聖者たちの食卓
 インドのある寺院で毎日10万食を一般の人たちに無料で提供しているという。そのキッチンの裏風景と食べる風景を単に撮影したという、60分余りの短い映画だ。インドには昨年12月に初めて旅行した。その内容を12月から1月にかけて11回にわたり、弊ブログで連載した。料理のことも12月19日に紹介した( http://d.hatena.ne.jp/oginos/20131219 )。
 インドの料理の風景ということへ、個人的興味を持った。毎日300人というボランティアによる、にんにく等の皮むき、チャパティというパンの1種を鉄板上で焼く、食べた後の金属製の食器(トレイとボール)を洗う、延々と訪れて、大食堂の床に座って食事をする信者たちなどという画面が続く。
 場所は、インド北西部のパンジャブ州最大の都市アムリトサルにある、シーク教の黄金寺院(シク教は15世紀にパンジャブ州に興った)。寺院の中に、キチンと一度に5,000人が食事をできる食堂がある。1日10万人というから20交替するようだ。映画の公式ウェブページは、http://www.uplink.co.jp/seijya/introduction.php
 約60分間あまり、時々入る短いキャプション以外はセリフが無い。予想どおり、肉類が全く入らず、本当に不味そうな食事だ。食堂を含め寺院に入るには、靴を預けて裸足というのも日本人の私には抵抗感がある。しかし、このようなインドには全く圧倒された。
 シーク教の寺院だが、宗派を問わず、この無料の食事を提供するというのは本当のようだ。ターバンはシーク教徒の象徴で、一般のインド人は被らない。この映画でも、ターバンを被っていなくて食べている人の方が多そうだ。
 シーク教については、弊ブログ1月3日のデリー編で簡単に紹介した。人口の1.9%で15世紀に創設された。デリー市の寺院グルダワーラーの写真も載せた。 http://d.hatena.ne.jp/oginos/20140103
 このような面白くないマニアックな映画は、日本では9月27日(土)に公開されたが、東京都では2館だけだ。そのうちの1つ、渋谷の「アップリンク」という聞いたこともない映画館に行った。たまたま予約のあった原宿の眼医者の治療の後、12時20分(2番目の上映時刻午後1時の40分前)に行ったら、驚くべきことに既に満席だという。結局29日(月)に再度行ったが、その時の予約の話は次項で。
2) 予約の苦労
 渋谷「アップリンク」は、渋谷駅から歩いて10分ぐらいの、とても映画館があるとは思えない準住宅エリアにある、60席程度と40席程度のスクリーンしかないらしい、小さな映画館だ。 http://www.uplink.co.jp/info/floorguide/
 初日に40分前に行って満席だったのは、1時の上映の後トークショーがあったからだろう、こんな映画に人が来るはずがないと思っていた。しかし、念のため予約できるのかと聞いたらウェブでできると言う。それで、29日(月)に渋谷に用事を作って(何時でもよい用事だったが)、初回の11時に行くことにして、日曜日に念のためウェブで予約した。これがなかなか判りづらくて、結局は、「ticket board」 (http://portal.tickebo.jp/pc/ )という、携帯電話からチケットレスで入場できるという予約システムに追い込まれた(どうしてそうなったか判らないが、とにかく追い込まれたという感じだ)。後で調べると、大きなイベントなどで使われている、携帯電話で入場できるというシステムらしく、アップリンクのような小さな映画館向けとは思えない。
 とにかく、チケットレスでの映画館というのは初めての経験なので、どんなものなのか少し期待しながら行った。
 ところが、月曜の11時の上映なのに、予約人数が多いので、予定の小さなスクリーンの部屋(40人程度)から大きな部屋(70人ぐらいのようだった)に変更したとのことだ。しかも入るとほぼ満席だ。こんなに人気のある映画だったとは信じられない。
 がっかりしたのは、チケットレス方式を確認できなかったこと。a)携帯をかざすと座席票が出てくるのだろうか(それでは、紙とプリンターが必要)、b)ディスプレーに座席番号が出てくるのだろうか、c)それとも予約時に確定した座席番号をあらかじめ覚えていかなければいけないのだろうか(それでは座席でトラブルが起きるかもしれない)。
 実際には、部屋が変ったことにより、予約の名前を口頭で確認した後、新しい部屋の座席番号票を渡してくれた(元々の座席とはリンクしていない。来た順のようだ)。
 私は、携帯電話をかざしての予約システムは、入場管理としては、早くて確実という面でいいが、座席予約にはあまり向いてないような気がする。座席番号を書いた紙を持たせないと(家でプリントでもいい)、現地で混乱するのではないか。それにこの「ticket board」は、ウェブを見ると、入場を断られたり、いろいろトラブルがあるらしい。なかなか複雑なシステムだと思う。いろいろ個人情報を登録させられたが、パスワードは、他では使っていないものを使って、私としては一応自衛策を講じた積りだ。