映画3本

 今週、映画を3本観た。通常は1月に1本観るか観ないかの私としては珍しい。
a) 観た日は2/27(月)於新宿武蔵野館 「スプリング、ハズ、カム」(封切は2月18日) 
http://springhascome.xyz/ 
b) 観た日3/1(水)於テアトル新宿 バンコクナイツ」(封切2月25日) 
http://www.bangkok-nites.asia/ 
c) 観た日3/2(木)於二子玉川109シネマ 「ラ・ラ・ランド」(封切2月24日)
http://gaga.ne.jp/lalaland/ 
 何れも新聞、週刊誌の映画評などで高い評価を得ていたものだ。以下、若干の感想。

a)の「スプリング、ハズ、カム」は、私の広域散歩圏内にある小田急祖師ヶ谷大蔵駅の周囲が舞台だというので、先ず関心を持った。広島に住むシングルファーザーの父親と娘が主役で、娘が東京の大学に合格した。父娘が2月末にアパートの下見に上京して祖師ヶ谷大蔵駅周辺の商店街等を廻る1日が舞台だ。父娘間の思いやりをベースに、ほのぼの感漂う感じで、観たくなった。
 観た感想は、やはり、事件らしい出来事は全く起らず、ほんわか感が残るだけだが、満足した。ただ、観客数が2割ぐらいで少なく、終了後に監督(吉野竜平)が舞台で挨拶していたが、少々寂しかった。
 当初の封切館は、東京では新宿の「武蔵野館」だけだったが、1週間後の2/25に、「渋谷ユーロスペース」という映画館でも上映を始めた。「映画.com」で上映館を見ると、東京のこの2館以外は、千葉ニュータウンと四国の今治市だけだ(2月末にアクセス)。

b)の「バンコクナイツ」は、日経新聞の映画評で星5つ(今年有数の傑作)の最高級の評価で、評者は次のように絶賛している。ちなみに、舞台は殆どタイ(バンコクラオスとの国境に近いノーンカーイ)で、女性主人公もタイ人(多分)だが、日本映画だ。

2017/2/24付 日本経済新聞 夕刊
 本年初頭を飾る日本映画の傑作。いや、日本という枠を易々と越えるスケールの大きさがすばらしい。しかも、フットワークは信じられないほど軽快だ。映画をDVD化しない創作集団・空族(くぞく)の作品なので、ぜひ映画館で、お見逃しなく。
(以下略)

 「映画.com」で上映館を検索すると、(全国ベースで)「テアトル新宿」と横浜市の無名の(私には)映画館しかない(http://eiga.com/movie/82941/theater/ 2月末にアクセス。上映館は今後増えるだろう)。3時間2分と上映時間は長い。そのためか、通常1100円のシニア料金(60歳以上)でも1500円と高い(新宿の場合)。
 映画館に入ると、平日の午後(3時50分スタート)というのにほぼ満席だ。ちなみにロビーでは、「12時20分開始の回は、立見席しかありません」という貼り紙が残っていた。大変な人気で、本年初頭を飾る傑作への期待が高まる。
 しかし、見終った感想は、ピンと来なかった*1。私には理解できない映画で、また正直言って面白くなかった。若い人達にとって本年有数の傑作であっても、私にはそれを受ける感受性が無くなってきたのではないかということで、年齢を感じた。聞き取れないセリフもあったし。
 理解できなかったことで1ついうと、最後から10分ほど前に、男性主人公が拳銃をヤミの店で買う場面が2-3分ぐらい続いた。しかし、その拳銃を実際に使うのか、使ったのか判らず、とにかく意味が判らない。また、タイに詳しい人には懐かしい映画かも知れない。バンコクだけでなく、田舎の風景もたっぷりだ。
 とにかく3時間は長く、甚だしく疲れた。家人を連れて行かなくてよかった。終生グチられることとなったろう。

c)の「ラ・ラ・ランド」は、アカデミー賞の各部門を独占するかとの前評判だったが、2/26の発表では、メインの作品賞が別の「ムーンライト」に決った。これはトランプ大統領の移民政策へのハリウッドの抵抗を示したものとのことだ*2。しかし、6部門で受賞したとのことだ。ちなみにa)とb)は、上映館が少なかったが、ラ・ラ・ランドはもっと多い。
 「スプリング…」はほのぼの感だけ、「バンコク…」は理解できずということで、口直しならぬ、眼直し、耳直しの面で、このミュージカルには期待した。女優を目指すヒロイン(エマ・ストーン)とジャズ・クラブの経営を目指す男主人公(ライアン・ゴズリング)という夢を追う2人のラブ・ストーリーとの触れ込みだ。単純そうなストーリーだし、久しぶりに良質のミュージカルを観たくなった。家人が、アカデミー賞の受賞が決まった後では予約しにくくなるかも知れないと言い出し、早めに予約。1週間に3回も映画館に行くことになった次第だ。
 感想としては、ハリウッド映画はやはり安心して楽しめる。ストーリーに深みはないが、ジャズ演奏と踊りが楽しい。ただ、結末は予想外だった。

*1:余談だが、遠い独身時代に、あるコラムで読んだ処世訓がある。上司等気を遣う人からの紹介で「見合い」をした後、断りたいときは、余計なことを言わず、「いい人でしたが、ピンと来ませんでした」ぐらいがいいという。この場合間違っても「ピンと来る所が無かった」とは言ってはいけない。後者は、相手にいい所が無いという意味になるが、前者だと、相手は素晴らしい人だが、それが判らない自分の方に問題があるという意味になるからだという。本当かなと思っていた。

*2:昨年までのアカデミー賞には、「白すぎオスカー」(受賞者が白人ばかり)との批判があったことを踏まえ、今回はトランプ大統領の政策への批判を込めたとの説。詳細略