国宝

 2025年の映画の大ヒットは、歴代興行収入の1位(邦画)を更新した「国宝」だ。

映画『国宝』公式アカウント@kokuhou_movie

#国宝』歴代興行収入ランキング 22年ぶり 邦画実写No.1を達成!  11/24(月)までの公開172日間で 観客動員数 1231万人 興行収入 173.7億円 を突破! 歴代の興行収入ランキングでは、 『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年公開、173.5億円) の興行収入を超え、邦画実写第1位に! ※興行通信社調べ 日本映画において新たな金字塔を打ち立てました!! #映画国宝 特大ヒット上映中

 

 本稿は映画「国宝」よりも原作の吉田修一の小説を読んでの感想だ。内容については映画とそれほど変わらない筈だ。本を買った経緯から説明する。私の学生時代の友人が12/13にがんで死亡した。彼との付き合いは、最近はもっぱら原則月1回の大学のクラスメンバーのZoomミーティングでの懇談だ。半年前のそのZoomミーティングで、たまたま映画国宝が話題になり、彼ともう一人が観たとして熱烈に賛美した。何かのきっかけで私もコメントを求められ、私は「予告編を観ただけだが、ケミストリーが合わないから観ない」と言った。それで、何だ、そのケミストリーとは、ということでひとしきり自分が槍玉になった。

  chemistry のこの意味での使い方は、オックスフォード辞書(ODE)に出ているし、普通の英和辞書にも出ている。

 chemistry (ODE) — the complex emotional or psychological interaction between people

 

 私の感じは、名家や伝統などに縛られているという話が苦手なことだ。それに日本の伝統芸能やお稽古が苦手だ。私は小さい頃母の好みでいろいろ習い事をさせられた。例示すると、お茶、仕舞、珠算、習字など。困ったことに私は芸術関係に弱く、大体センスが無い。中でも長く苦痛だったのがバイオリンで、小3から高2まで。高3になって、受験を理由にして辞められた時は嬉しかった。その後バイオリンケースはほとんど開けてない。母は、その後三味線や能などに狂い(?)出したが、私は恐れて近づいていない。

 

 それで、「国宝」狂いの友人が死んで、追悼の意味で彼が称えた国宝を小説で読むことにした。たまたま外出先にあった書店で、文庫本上下2冊(朝日文庫)を買った。面白かったので、2日間で読んだが疲れた。家を背負った主人公2人、他の主要登場人物も頑張る。高市首相の「働いて...働いて」発言と同じ匂いだ。首相のように恥かしげもなく口に出して言わないからまだましだが、それにしても鬱陶しい。

 小説はそういう意味で面白くも鬱陶しかったが、描写されている女形の美形は、映画で見たくなった。

 もう1つ補足は、瀧晴巳氏の解説だ。小説に出てくる歌舞伎の場面を9か所採り上げ、背景等を解説している。芸術に疎い私には参考になった。