小さいおうち

 老犬(16歳)の世話のため、外出の機会もままならない。その中で、山田洋次監督の最新作品「小さいおうち」(1月25日封切)を19日の先行試写会で見た。J:COM(CATVの大手)の「オンデマンド試写会」ということで、自宅のテレビで見ることができたので甚だ便利だった。以下、1)オンデマンド先行試写会の若干興味深い仕組と2)映画について少しだけ、述べる。
1) オンデマンド先行試写会
 「小さいおうち」は、1か月ほど前の新聞の映画評でポイントが高かったこともあり、関心があったところ、毎月配送される「ジェイコム・マガジン」の1月号の表紙に「オンデマンド試写会」の案内が出ていた。「2000名無料」ということで、俄然興味を持った。
 「オンデマンド」とは「VOD(Video on Demand)」の略で、放送済みのテレビ番組や公開済みの映画を、原則有料で自宅のテレビに配信してくれるもので、配信後2-3日間繰返し見ることができる。レンタルビデオと同じと思えばいいが、レンタル店に行かなくてもいいことが便利だ。特に私の場合、1年ほど前に近くのビデオレンタル店が勝手に閉店したこともあり、重宝している。しかし、公開済みの映画のビデオ化は半年程度かかるので、ロードショー作品を見ることは考えられなかった。今回は封切の6日前に見られるということで大いに期待した。
(応募手続き)
 ジェイコムマガジンに載っている手続きは、先ず応募期間(1月7日朝10:00から15日朝10:00)にCATVのVODの画面から申し込むこととなっている。早速7日の朝10:00に申込みの手続きをした。5項目程度のアンケート(男女別、年代別、VODの経験等)に答えて、申込みボタンを押したら、即時に抽選結果が出た。「落選」というので、こんなに早く申し込んだのにとショックを受けた。おまけに1人1回しか申し込めないとの表示が出てがっかりした。
 それで次は妻ということで、男女別等を変えて再度申し込んだが、やはり即時に落選と出る(ちなみに、申込みに名前を記入する所は無い)。応募要領の中には確かに、応募ボタンを選択後、抽選結果が表示されるとある。それにしても早過ぎる。それで可能性を考えた。
a) 応募初日の開始時刻に2000人を超える応募があって即抽選をし、既に2000人を選んだとの可能性は考えにくい。
b) 抽選結果の表示が早いから、幾つかの応募をまとめて抽選ということではなく、乱数等を使って即抽選をしているに違いない。まだ、全2000人が埋まってはいないだろう。
c) 「1人1回の応募」というのは、名前の入力欄が無いので意味不明だ。CATV端末装置毎(同じだがCATVの会員毎)に1回の応募なら、そう書けばいいのに書いてないのは、何回か応募できるはずだ。
d) 一応「1人1回の応募」と書いてあるから、当日中の再応募は無理かも知れないが、翌日になればリセットされて新たに抽選してくれるのではないか。
 ということで、2日目の朝10:00に、祈るような気持で再応募した。念のため別人と思われるよう、アンケート中の「年代欄」は息子の年代とした。今度は見事に当選。無料視聴が可能になった訳で、家族ともども喜んだ。視聴は、1月19日だけで、朝10:00から夜10:00まで何回でも可能とのこと。

2) 小さいおうち
 この映画は、封切間近の最近になって一段と、テレビでの紹介やCMが多くなってきた。山田洋次監督、松たか子主演がセールスポイント(英語ではselling point)だが、他のキャストもいい。ウェブのページは次。
http://www.chiisai-ouchi.jp/index.html
 「大きな秘密」とあるが、ネタバレを恐れるようなストーリーでもないと思う。しかし、特に紹介する価値があるとも思わない*1。私としては、戦前の良家の若奥様のムードがよく出ていて、また太宰治的な雰囲気もあり、面白かった。有料でも満足したと思う。
 調べると、J:COMのオンデマンド試写会は半年前にもあったようだ。今後もこの種の案内に注意していくこととしよう。私にとって、無料というのは絶対条件ではなく、また必ずしも「先行」でなくていい。ロードショーが自宅テレビで見られるのがいいと思う。

*1:映画を見る前に教えてもらって感謝できるというものでもないし、映画を見ないでタダで教えてもらって得したと思えるようなものでもないという意味。