サポートの不思議

 最近、サポートでのトラブル(自分が受けたもの)が2回続いて、非常に不満だ。最新のITに関連する話題も含まれているので、紹介する。第1はKDDIの「メタルプラス電話」*1、第2は「日経エレクトロニクスDigital」だ。
1) KDDIメタルプラス電話の終了
(直収電話)
 KDDIメタルプラス電話とは、「直収電話」と呼ばれるものだ。
 少し古い話だが、1990年代末期の通信自由化により、NTTの電話回線の独占体制が改正され、いわゆる新電電が電話事業に参入できるようになった。その当時は電話局間の市外電話回線などのみが自由化され、電話局から各家庭への加入者回線は従来のNTT回線を使用していた*2。この後2003年から2005年にかけて、更に加入者回線も自由化され、いわゆる新電電は、NTTの電話局に交換機を設置して加入者回線も所有(実際には多くが従来のNTTの回線を転用)するようになった。
 これが「直収電話」サービスと呼ばれるもので、ソフトバンクでは「おとくライン」、KDDIでは「メタルプラス電話」だ。我が家は、1990年代末の回線自由化の時に、KDDIマイラインに指定し、2005年頃の自由化、直収電話に際しては、KDDIメタルプラスに登録した。従来のNTT電話と使い勝手が変らず、かつ料金も安いというのが利点だ。
(メタルプラスの終了)
 以上が前置きだが、昨2014年12月にKDDIから来た連絡を読んで驚いた。加入者が少ないので、メタルプラス・サービスを終了する予定とのことだ(2016年6月末)。代替案として提示されていたのは、a) 光ファイバーとb)「ホームプラス電話」だ。KDDIの連絡には無いが、c)KDDIを止めてNTTに復帰するとの案もあろう。
 屋内の配線工事を嫌がる家人に対しては、昔に撤去した光ファイバーを再工事するa)案は受け容れてもらい難い。「ホームプラス電話」だと、あるアダプターを設置して配線替えをするだけで、従来の電話機や電話番号もそのまま使えるとのことで、これにしようかと考えていた。
 暮に近づき、KDDからの連絡をよく読み直すと、配線替えの内容は、壁のモジュラージャックへ現在繋いでいる配線を、新たなアダプターに繋ぎ替えることのようだ。すなわち、電話局への回線が無くなる。調べてみると、問題のアダプターから外部への通信はLTE(Long Term Evolution。第4世代携帯電話の通信と同種)、すなわち無線だ。VoLTE(Voice on LTE)と名付けられている。参考までに、KDDIのホ−ムプラス電話のURLは、 http://www.kddi.com/phone/homeplus/
(ケーブルが無くなること)
 我が家のインターネット環境が完全に無線化したことについては、2012年4月の弊ブログで紹介した(「ネット環境の完全無線化」 id:oginos:20120408)。これは電話線や光ファイバーをモバイル・ルーターに換えたというもので、心ある友人達からは無謀だと心配された(coming outすると、その懸念は少し当っている)。同ブログの最後の段で、家の前の光ファイバーの撤去工事を見つつ、「秘かに、そのうちみんなが無線になって(光ファイバーを吊るす)このワイヤーも無用になるのではないかと思った」と書いた。
 KDDIのホームプラス電話を採用すれば、電話線のケーブルが更に1本無くなる訳で、私の予測の方向は正しかったことになる。
(ホームプラス電話で確認したいこと)
 しかし、ホームプラス電話には、実際上確認したいことがある。我が家の固定電話は、玄関のテレビドアフォンに繋がっているが、そのまま使えるか。また、事情があって、我が家では防犯用電話自動応答録音アダプターも繋いでいるが*3、それが使えるか。現存のこれらが使えないと、電話機やドアフォンの変更なども検討しなければいけない。
(サポートがされない)
 これからが本題であるが、KDDIのサポートは電話だけで、メールは受け付けていないことを発見した。しかし、電話も、最初に自動応答で分類を聞いてくる。「メタルプラス電話」を選択すると、10分も20分も待たされるので、断念した。思いあまってHPにある「みんなのQ&A」というところに質問を出した。

ホームプラス電話とテレビドアフォン等の使用について
質問ID:1412240090
公開日時:2014年12月24日 22時48分
 現在、メタルプラスで、a)テレビドアフォンと b)防犯用電話自動応答録音アダプター(東芝製、型番TY-REC1)を利用しています。これらは、ホームプラス電話になっても使用できますか。そのまま利用を継続できない場合、対処方法を教えてください。

 すると次のようなレスが付いてがっかりした。

残念ながら、この掲示板はauお客様サポート窓口ではない為、KDDIau担当者が閲覧回答者では在りません。一般ユーザー同士で質疑応答する場ですので一般ユーザーで回答困難な質疑やauKDDIへの直接的な質疑・御意見・御要望・クレーム等は御自身でauお客様センター157やお客様サポート等、直接auKDDIの各担当窓口に問い合わせ確認等を行なってください。

 思いあまって、近くのauショップに行って相談した。携帯電話から外れた話だが、ちゃんと受け付けてくれて、このショップでは返答できないから、後刻KDDIのサポートセンターから自宅に返事の電話が来ると言う。
 それから2週間待っているが何の返事も無い。最初のKDDIからの連絡によれば、2月末までの間にホームプラス電話に申し込めば優遇があるというがどうなっているのか。直観的には、現在のテレビドアフォンとの接続は難しいのではないかという気がする。そうなると、現在の加入者回線を多分活かして配線工事が無くてすむと思うので、再度NTTということも考えられる。しかし、申込み手数料とか、最悪では昔のように電電債的なものを買わされるような気もして不安だ。
 KDDIのサポートは本当におかしい。

2) 「日経エレクトロニクスDigital」の怪
 「日経エレクトロニクス」(以下「NE」)は出版もされている日経グループの雑誌だ。「日経エレクトロニクスDigital」(以下「NED」)はNEのウェブ版だけでなく、独自の記事もある。正月早々、日経電子版だったかにNEDのある記事のタイトルが引用されているのを見て、2015年1月5日号のNEDを読みたくなった。ところが、有料でないと読めないようだ。今手伝っている事務所の仕事の関係で、有料でも読みたい。
 ということで、NEDを1冊だけでも申し込めないかと思って、申込みボタンをクリックすると、NEDの受付は終了したとの案内が出ている。すなわち、「NEDは、2015年1月より、「日経テクノロジーオンライン有料会員」(以下「NTO有料会員」)へサービスを統合します」とある。
http://techon.nikkeibp.co.jp/NED/s/index.html
 NEDNEは確か月800円程度だが、NTO有料会員は月1,800円もする(日経グループの雑誌が多数読めるようだが)。申込み最初の月は無料とあるのを頼りとして、1月6日にNTO有料会員を申し込んで、早速その日から問題のNEDを読もうとした。
 愕然としたことに、NTO有料会員が読める対象雑誌は10誌挙げられているが、NEDが無い。
http://techon.nikkeibp.co.jp/info/1501/
 上述のNEDとの統合を案内するページと矛盾しているのは明らかなので、早速クレームをNTOの該当ページに書き込んだ(KDDIと違い、メールを出せる欄だけはある)。目的の記事を読みたいことを最優先にして(一般的なクレームは強調せず)、目的の記事の名前、特別企画「屋内測位…」を具体的に書いておいた*4
http://techon.nikkeibp.co.jp/NED/pc/ (このURLでは最新号のタイトルに替っているかもしれないが、2015年1月5日号に移れる筈)
 こっちは2日後の8日に返事が来た。しかし、不思議なことに、2年前のNEの記事を紹介し、それをダウンロードできるようにしたとある。古い記事だから最初違うと思ったが、タイトルとリードから見ると、今回の記事は本当に2年前の記事を転載したもののようで、(読者に判りにくい形で)そういうことをするのかと思った。この分野は日進月歩だから、2年前の記事と判っていれば、こんなに必死になって調べたりはしなかった。本年1月5日号の記事をダウンロードできるようにしたと言えば私には判らなかったものをと思う。
 NEDの一般的な記事の読み方はもとより、NTO有料会員との統合の意味も判らないままになった。この1月の無料期間だけの会員の積りだから、あまり追求しないことにしよう。

*1:標題のジャンルに「携帯電話」としているが、本当は固定電話の話。

*2:新電電の市外回線が使われる機会を公平にするために、「マイライン」の登録という制度があったのも懐かしい。

*3:昔の弊ブログ(「なりすまし電話」 id:oginos:20130418)に書いたとおり、私が家には振込み詐欺まがいの電話が2回あった。今後の対策のために、電話の録音装置を買って設置した。

*4:この記事だけでなく、同号の特集「ビーコンでお手軽IoT」にも関心があったが、それはNEにも掲載されているので、NTO有料会員で問題なく読めた。「屋内測位…」はNEDだけの記事だ。