ジパング割引と乗継割引

昨土曜日に、法事で富山の高岡に帰省した。その時にジパング倶楽部(弊ブログの「ジパング倶楽部」 id:oginos:20110824 参照)の3割引を使い、有り難かったが腑に落ちないことがあった。新幹線から在来線に乗り継ぐ際(逆方向も可)には在来線の特急券等が半額になる(乗継割引)。従ってジパングを利用すれば、半額から更に3割引きになるとの心積りでいたら、実際の請求額は心積りよりやや高い。券を受け取ってからチェックすると乗継分は半額のままでジパング割引が適用されていないようだ。
窓口に戻って駅員に確かめると、ジパング割引と乗継割引とは何れかが適用されるのであって、ダブル適用はないと言う。大いに不満なのでその理由を2点述べる。なお、このことはJRにもメールを出そうと思う。
1) 割引の具体例
 理由を述べる前に、前置きとして、また新幹線の停車駅しか利用したことの無い人のために、私の今回の例をもとに乗継割引を具体的に説明する。今回のJRの利用区間は、新宿-(湘南新宿ライン)-大宮*1-(上越新幹線、Maxとき号)-越後湯沢-(ほくほく線北陸本線、在来線特急はくたか)-高岡だ。
片道の料金は、乗車券は省略して、新幹線特急券が大宮-越後湯沢間で3,230円、在来線特急券が越後湯沢-高岡間で元来は3,800円が乗継割引で1,900円となる。特急券料金の合計は5,130円だ。
今回のジパング割引では、新幹線特急券が2,260円と30%引きだが、在来線特急券は、1,900円のままだ。合計4,160円と19%引きにしかならない。570円の違いだが、すごく損をした感じだ。
2) 割引のダブル適用(併用)
駅員は割引の併用は無いと言ったが、601km以上の乗車券に適用される往復割引10%については、ジパングの30%引きは上乗せされる。すなわち、37%引きとなる*2。601km以上の往復割引は基幹的なサービスで、ジパング割引とどちらかを選ぶものではないと捉えられているためであろう。
 このような併用をケチるのは誠に残念で、ジパング倶楽部の素晴らしさに傷が付いている。
3) 乗継割引の元来の趣旨
 駅員の言を推測するならば、乗継割引は、利用者への付加的サービス、言い換えれば恩典だから、ジパング割引の恩典との併用は有り得ないということなのだろうが、私の理解は異なる。新幹線が登場して同時に導入された乗継割引の趣旨は、2点ある。
 第1は、新幹線の開始と同時に実施された在来線特急の廃止への補償の意味だ。先ほどの東京-高岡間で言うと、以前は白山などの直通特急が運行されていたが新幹線により廃止された。新幹線により時間は短縮されたが、乗換の手間も出た。時間短縮により多少料金が高くなるのはやむを得ないが、在来線の特急料金分をフルに取るのは、適切でないと考えられたのだと思う。
 第2は、新幹線停車駅の利用者と乗り継がなければいけない在来線駅の利用者との間の負担の公平感であろう。乗車距離がそれほど違わないのに負担額が大きく違うのは正義に反する。この意味では、乗継割引の半額は少なすぎて、6-7割引でもいいと思うが、今はそれは言わない。
 言い換えると、現在の乗継割引後の大宮-高岡間の特急料金は、付加的サービスや恩典ではなく、他の新幹線利用者との公平性に配慮した基幹価格なのである(前述の通りもっと割引してもいいと思う)。従ってジパング割引はこの基幹的料金全額に対して適用されるべきだと信ずる。

*1:私の住む世田谷区からは、東京駅で乗るよりも、新宿から湘南新宿ライン又は埼京線快速で大宮に行った方が早い。

*2:ネットでの質問コーナー(「教えてgoo」など)を見ると、実にいい加減な回答があって、この併用はできないともっともらしく書いてあるものがある。私は、「ジパング倶楽部ガイドブック」で併用できることを確認してある。