自動ブレーキの作動実証
2年前の夏に購入した我が家の車には自動ブレーキが装備されている、とディーラーから説明されていたが、本当に作動するか心配だった。家の前で、そろそろと壁などに接近するなどして作動を確認したかったが*1、万が一傷がつくといけないと言って家人が固く禁じていた。
(あわや追突)
今回、計らずもその機能を確認できた。少し長くなるが状況を説明する。5日(日)に埼玉県の「越生梅林」の梅まつりを見物しにドライブした。片道約60km余りだが、混雑していて最後の4km余りに2時間近く要し、計約3時間運転した。4月上旬という気温で暖かかった中、往路はトラブル無しに乗り切り、梅林に1時間半ほどいて帰途についた。5分ほどでまた直ぐ渋滞が始まり、ストップアンドゴーのノロノロ運転になった。ついうとうとして、衝撃的な急停止で気が付き、前の車に追突したかと思った。前の車も止まっているので、運転手が降りてくるかと覚悟したら降りてこない。また何事もなくノロノロ運転が再開された。その時になって、これは自動ブレーキが作動したのだと気が付いた。次の駐車エリアで停まって前のバンパーをチェックしたが何ら異常はない。
これで、かねて懸案の自動ブレーキ装置の実証ができたと私は内心喜んだ。今までは、自動ブレーキ装着ということで、運転している時にも何となく安心感があったが(確たる根拠は持てないまま)、それが実証された訳だ。たまたま翌6日の朝日新聞に、車の自動ブレーキが義務化される動きがあることが紹介されていて、自動ブレーキは現在ホットな話題のようだ。
2017/3/6 朝日新聞
車の自動ブレーキ、義務化されるって? (抜粋)
メーカーに対する搭載の義務化に、国土交通省が動き始めた。社会問題になっている高齢ドライバーの事故を減らす効果が期待されている。大型のトラックやバスの新型車ではすでに義務化されている。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12827636.html
高齢者対策の観点で、まさに私向けだ。5日の事故は大したものではなく、仮に自動ブレーキ機能が無くても前車に低速度で追突するだけだ。人身事故になりようがなく、保険会社を煩わせて、我が家の車の保険料が高くなる程度だ。しかし、居眠り運転は、下手したら大事故につながる。作動確認できたからと喜んでいるだけには行かない。以下、自動ブレーキ等の衝突回避装置について簡単に説明する。
(我が家の自動ブレーキ)
今回の車は、2年前の6月に買った車で、やや古い。自動ブレーキ一般について、自動車メーカーなどでは、「自動ブレーキ」ではなく、慎重に「衝突被害軽減ブレーキ」と呼んでいる。ネットで見ても、作動速度や作動対象など多彩で、比較が難しい。我が家の場合も、時速2-3km程度で急停止してくれたことは理解できたが、その機能の全貌は今でもよく判らない。
(ACC)
自動ブレーキ以外の衝突回避機能としては、AAC(Adaptive Cruise Control)が装備されていて、よく使っている。これは、車間距離を一定に保ちつつ、定速走行(もちろん上限速度)をしてくれる機能だ。例えば、時速90kmとセットすれば、前車がいる場合その間の距離を一定に保ち、前車がいない場合時速90kmで走る。
「アダプティブ」の無い「クルーズコントロール」という機能は30年ぐらい前からあり、これは時速100kmに設定すればその速度で走ってくれる。学生時代に先生が授業の雑談で、米国へ留学していた時にドライブしていた時の想い出を紹介してくれた。とにかく広い国土をドライブしている時にアクセルを踏んでいる足が疲れるので、アクセルペダルの上に何かを置いていたとのことだ。その後、私が30年ほど前、米国に赴任した時に購入した車には、クルーズコントロールの機能があり、アクセルペダルの上に石を置く必要もなく、高速道路で重宝した。帰国した後の日本の車でもクルーズコントロール機能はあったが、一定速度で走らせるだけなので、混雑している日本の高速道路では、直ぐ前車との距離が縮まり、絶えずリセットしなければいけないので、あまり利用価値はなかった。
最近のACCは、前述のように前車との間隔も自動調整する。すなわち、(速度<設定速度)かつ(前車との間隔<一定間隔*2 )となっている。これがどれだけ便利かというと、a)前車にぶつからない、b)速度を出し過ぎない、c)前車との間隔が開いても一定速度は出していけるということだ。高速道路運転時のアクセル、ブレーキ操作で気を遣うことは、a)前車にぶつけない、b)スピードを出し過ぎない、c)遅くなり過ぎない、だろう。b)、c)を守るには速度計を絶えず見て、アクセルを微調整する必要があり、これが結構疲れる(私には)。ACCにより、前後の調整は気にする必要が無くなって、左右方向の車線維持・変更にだけ注力すればよくなった。
高速道路だけでなく、気分が向けば、一般道でも、設定速度を落してACCを利用する場合がある。混雑している場合など、ブレーキを踏まなくても停まってくれ、前車が動き出せばそれに合わせて動いてくれる。ただし、注意すべきは、a)前車がいないとき、赤信号では自分でブレーキを踏まなければいけない、b)交差点で前車が右左折していなくなると、設定速度まで(急)加速することだ。山道の下り坂でも時々ACCを試している。エンジンブレーキと比較した利点は、前車がいてもブレーキを踏む必要がない、前車がいなくなるとある程度のスピードを出してくれること。しかし、ある程度の慣れが必要なので、一般の人には勧めない。なお、自動ブレーキは常に作動するが、ACCは設定しないと作動しない。
我が家の車は家人の所有だが、家人はこのACC機能は使わない。私のACC運転をおっかなびっくり見ているだけだ。
(今後の反省)
5日の越生梅林での事件の際、家人は助手席で少しうとうとしていて、急停止については、居眠り運転から私が幸い気が付いて、急ブレーキをかけたと思い込んでいた。1時間ほど経ってから、実は居眠り運転のまま自動ブレーキのお蔭で停まったとカミングアウトしたら、絶句した。
今回は、往路での長時間のノロノロ運転の疲れも残っていてのトラブルだ*3。今後は反省して、眠けを覚えたら我慢せず正直に申告して、休憩し仮眠することを家人と申し合わせた。
(自動運転車の前に)
自動運転車の開発動向については2015年の11月の弊ブログ「自動運転の未来」id:oginos:20151130) で紹介した。ほぼ2020年の普及を目指し、日米欧の官民が開発競争している。そのブログの中で、トヨタ自動車は、無人運転には否定的で、機械が運転手を支援する「Teammate Driving」の概念を提唱していることを紹介した。しかし、その後今ではトヨタも無人運転にのめり込んでいる。
2020年に我が家が運転しているか、(高価な)自動運転車を購入する余裕があるかは問題だが、次の車は、現在の我が家の車の機能(自動ブレーキ、ACC、後方カメラ)にプラスして、次の機能がある車を運転したい。リーズナブルな価格であることが前提だが、機能としては何れも既に実装している車が販売されているようだ。
- 車線逸脱警報ないし防止、車線中央キープ機能
- 前後だけでなく、左右方向への衝突回避機能
- 自動車庫入れ
- 前方カメラ(西日、濃霧等でも視認可能)
- 側方カメラ(並走車両の警告)*4
- ドライバーモニター(運転手の居眠り運転への警告)
- 誤発進、急発進防止