open campusは和製英語

 METIのペーパーで、オープンファクトリーという言葉があって、気に懸かり調べた。
 意味しようとしていることは、工場の一般公開である。自分は、それは、オープンハウスでいいと思っており、広辞苑でも、「学校や工場を外部に公開すること」とある。ところが、グーグルで、オープンファクトリーを引くと、実は日本では沢山出てくる。何れも、工場の一般公開である。

 英語で見ようと、「open factory」を引くと殆どその意味は無い。圧倒的なのは、「(企業名) to open factory in (地名)」で、工場の開設である。例外的なのは、「Microsoft and LogicaCMG open Factory 2.0 doors」。これは、“The Service Factory”というプログラムの2.0版を開発しようとするものらしい。

 工場の一般公開らしいのを1つ見つけた。
Mars Belgium opens the doors of its European Uncle Ben's® production site to the public, as part of the national Businesses Open Factory Day.
(http://www.mars.be/Belgium/en/News+and+media/OpenBedrijvenDag.htm)
 ベルギーの会社が一般公開した記事である。英語がネイティブでない国であることがミソである。興味深いのは、ベルギーでは、national Businesses Open Factory Dayというのがあること。
 open factoryは和製英語と確信した。

 先ほどの広辞苑では、学校の公開もオープンハウスである。しかし、open campusもよく聞く。ということでグーグルで引いたら、日本の大学、学校のopen campusばかりだ。英語に限って検索しても、殆どが日本の大学のそれの英語版である。注意して地域を米国に限って検索しても、日本の大学のオープンキャンパスが多く出てくる。

 米国プロパーと見られるものは、次のようなものだ。
The Open Campus of Riverside Community College District provides distance learning for over 20,000 students per year along with training & support for online instruction.
(http://opencampus.com/)
 つまり、大学のオープンな遠隔教育のこと。これは米国では、他の学校でも多い。

 日本のページでは、Micosoft Open Campusがあり、日本のマイクロソフト社の会社説明会だが、米国ではそういうのは無いようだ。

 ということで、結論は、open campus, open factoryは、和製英語である。これで何か問題かと言われると、困ることではないが、留意しておいた方がいいくらいのものか。
 それよりも、日本で、学校、工場について、open house を用いなかったことに興味がある。多分、英語のhouseは、家や家庭のほか、建物一般を指す(議事堂、劇場、旅館等)を指すのに対し、日本では、houseを、住居の家の意味に限定したからであろう。