今週のお題「心に残る映画」(シェーン、ヌーベルバーグ)

 私の子供の頃は、娯楽が少なくて、田舎の町の小さな映画館は、ロードショーから何か月(時には何年?)も遅れてきた映画でも、賑わっていた。小学校低学年の頃だったかに見た米国映画「シェーン」は、字幕だが必死になった。最後に近く、悪漢がシェーンの後ろから撃とうとしたので、少年が「シェーン、後ろ!」と日本語で叫んだ。
 と、家に帰ってから懸命に主張したが、みんなに笑われ、相手にされなかった。
 その後、40代になって米国駐在の時に、家族旅行でワイオミング州グランドティートン(イエローストーン自然公園の入口)に行った。観光案内によれば、シェーンの舞台ということで、確かに昔映画で観た山並みで、懐かしく想い出した。グランドティートンの写真は、google:image:グランドティートン
 もう1つ「心に残る」話は、中学生の頃の映画館の中だ。情報源に乏しい田舎の中学生は、多分長兄(12歳上)の読んでいた雑誌などを盗み読みして「ヌーベルバーグ」(nouvelle vague 新しい波)の映画に惹かれた。本家はフランスだが、日本でも大島渚監督などがヌーベルバーグと名付ける映画を沢山作っていた。小さな町の映画館には来ないが、少し離れた県庁所在地の映画館での上映を見つけ、隠れて1人で行った。日本映画で、大島渚監督のような有名監督ではなくマイナーな監督だったが思い出せない。
 中核都市の映画館は、映画も映画なので、がら空きだった。ところが、私の隣に中年の男が座ってきた。しばらく経って気が付いたが、私の股間に手を伸ばしてきている。びっくりして、私はそっと別の席に移動した。そうすると、その男はまた隣に移ってきて、また股間に手を伸ばす。私は、直ぐ映画館を出るべきだったのだろうが、滅多に見る機会の無い映画なので、出るのももったいなく、このような席の移動を数回繰り返した。
 それだけの話で、映画が終って明るくなるとその男は離れて行った。映画自体は面白くなく、全く理解できなかった。今では題名も覚えていない。私の数少ないウィタセクスアリスだ。
以上