ジバング倶楽部

 JRの「ジパング倶楽部」は、65歳になると会員になれ(女性は60歳から)、JRの切符が3割引になる。「ジパング倶楽部」はJR各社共通で、紛らわしいがJR東日本の「大人の休日倶楽部ジパング」は、プラスアルファの独自サービス(後述)を提供するもので区別が必要*1。「ジパング倶楽部」の年会費は全国共通で3,670円、「大人の休日倶楽部ジパング」では年500円が追加され、年会費4,170円。
 7月の65歳になった誕生日に早速申し込んだ*2。以下、ジパング倶楽部の3割引に関心を持っている同世代の人たちの参考となろうノウハウを説明する。残念ながら若い人には関係の無い話。
(ジパング倶楽部の概要)
 ジパング倶楽部の概要のうち、以下の話に関係があることをまとめておく。

1. JR全線が2割ないし3割引(乗車券、特急券、グリーン券とも)
2. 会員になって最初の3回は2割引、4回目以降が3割引。
3. JRの利用距離が201km以上(片道でも往復でも。従って往復の場合は片道101km以上)
4. 乗車券プラス特急券・グリーン券か、乗車券のみで利用可。(特急券・グリーン券のみは不可)
5. 東海道新幹線の場合、ひかり、こだまはいいが、のぞみの特急券は不可*3

 ちなみに、JR東日本の「大人の休日倶楽部ジパング」の追加サービスは、JR東日本・北海道管内の路線については、最初の利用から全て3割引、など(蛇足ながら、東海道新幹線JR東海)。
(最初の利用)
 私は、東海道新幹線を時々利用するので、早く3回使って3割引きになることが課題だ。利用の際は、会員手帳に綴じ込んである乗車券購入証の用紙(年間20枚)に記入して駅等の窓口に提出する。また手帳の中に旅行記録証なる表があって、利用の都度、回数を示す欄に発行駅からの認印を貰わなければいけない。ということで、回数のチェックは厳しい。
 今週大阪に日帰りで行く機会があった。普通に考えると往復で1回利用だろうが、この乗車券購入証を片道ずつ使って最初の2回分を稼ぐことにした。もう1つ悩みがあって、ひかりとのぞみの所要時間は約30分違うので、日帰りの往復ともひかりではきつい。従って、復路はジパング割引は効かないが、のぞみとした。すなわち、往路(大阪まで)は乗車券とひかりの特急券を一緒に購入、復路は乗車券のみだ。復路ののぞみ特急券は、別途、かねてメンバーとなっているJR東海のエクスプレスカード(年会費1,000円)の割引特急券とした。乗車券の割引だけでも価値はある。
 以下は実際の購入例。8月下旬の新横浜-新大阪間。特急券は繁忙期で通常期の200円高

往路 割引前 割引後 備考
乗車券 8,190円 6,550円 2割引
ひかり特急券 5,440円 4,350円 2割引
 計 13,630円 10,900円 割引額計2,730円
 復路
乗車券 8,190円 6,550円 2割引
のぞみ特急券 5,740円 4,690円 別途のエクスプレスカード割引
 計 13,930円 11,240円 割引額計2,690円

 今回の割引額だけで、年会費の元は取ったことになる。
(次回の利用)
 次回は次のように計画。もし東海道新幹線なら上と同様に、往路はひかり(ジパング割引)、帰りはのぞみとする。普通に考えると、往路はジパングの3回目だから2割引、復路は晴れて4回目だから3割引となる。しかし、次のようにして、往路のひかり特急券の割引率を2割から3割にできないか。すなわち、最初に復路の乗車券をジパングの3回目の2割引で買う。次に(念のため日を改めて、又は別の駅で)、往路のひかり特急券と乗車券を、ジパングの4回目の3割引で買う。
 ということで、普通に考えると4回目の旅行から3割引になるところ、2回目の半分から3割引になるので、大いに得をした気持ちになろう。
(各ジパングの比較)
 以上は、JR各社共通の「ジパング倶楽部」の利用だが、JR東日本の「大人の休日倶楽部ジパング」は前述のとおり、管内の路線は最初から3割引。その他「大人の休日倶楽部パス」*4などのサービスもあっていい。それに「ジパング倶楽部」の場合、いちいち乗車券購入証に書いて窓口に行って予約しなければならないのに対し、「大人の休日倶楽部ジパング」の場合、パソコンからのえきねっと予約が可能なのも相当便利(携帯電話からでは駄目なのが少し残念だが)。駅の指定席券売機で買えるのも、窓口での行列に並んでのいらいらが少なくていい。
 東日本以外のJR各社の「ジパング倶楽部」はよく判らない。JR東海のホームページを見ると、「お得なきっぷ」のタグの中に秘めやかに入っている。それほど広告はしていないし、「大人の休日倶楽部」のようなプラスアルファのサービスも無いようである。 http://railway.jr-central.co.jp/tickets/nationwide/zipangu-club/
 大体、JR東海のサービスはよくないとの印象だ。何と言っても、のぞみが対象外というのが不満だ。昔ののぞみスタート時と異なり、ひかりの本数は少ない。東海道新幹線の時刻表によれば、昼の時間帯で1時間当りのぞみ4本、ひかり2本、こだま2本の運行だ。午前中や夕方になればのぞみは増え、東京発朝8時台は7本にもなるが、ひかりの2本/時は増えない。のぞみがジパングの対象外であるのは年配者に冷たい。これに対しJR東日本は、はやぶさも(グランクラスは別にして)対象としている。
 想像するに、ジパング倶楽部は元々JR東日本が考え出した企画で、JR東海は渋々付き合っているのであろう。両社の仲の悪さは何とかならないか。

*1:JR東日本の「大人の休日倶楽部ミドル」は、50歳からメンバーになれるが、割引率5%などサービス水準はより低い。

*2:誕生日が過ぎた時点で使えるようにすればと思うが、申込書の送付は誕生日が過ぎてからと言うけちな規定がある。3週間後に会員証が送られてきたので、7月末の旅行には使えなかった。(参照) id:oginos:20110802 「東北新幹線はやぶさ

*3:東北新幹線はやぶさについては、グランクラス(グリーンの上のクラス)以外は利用可。

*4:名前がややこしい。期間を限っての発売だが、例えば4日間乗り放題で15,000円。