無線LANスイッチのアイコン

 今週ある事務所でパソコンのLAN設定の修復をすることになった。修復に1時間半ほど掛かったが、その原因はアイコンの形からくるものだった。無線LANがこれほど普及してきたことからもう少し標準化が図られてもいいと思うが、以下その顛末を紹介する。
(パソコンがネットに繋がらない)
 私事ながら、この9月から1週間に1日程度、下北沢のある事務所でボランティア的な仕事の手伝いをしている。今週行ったら、その事務所のノートパソコンが1台インターネットに〓がらないとのこと。私が先週使った時には動いていたものだ。
 あいにくパソコンにすごく詳しそうな人がその日いなく、ある程度詳しい人がやってみてもうまく行かないとのことで、それを受けてそれほども詳しくない私がやってみることになった。先ず、有線LANか無線LANかと事務所の人に確認したら有線だと自信ありげに言う。それでLANケーブルの配線をチェックしたりしたが、うまく行かない(これで30分以上ロス)。そのうちにある人がパスワード等をメモしたノート(これは紙のノート)を見せてくれた。パスワード等自体は、その先に見ていた別メモと同じで価値は少なかったが、そのノートに「無線LAN」と書いてあるのでがっくりした。有線か無線か判らないほどに、(私も含め)素人の集まりだ。途中ではLANケーブルを買いに行こうかとの案を出す人もいた。
 無線LANとなれば、事務所内の他のパソコンがネットに繋がっているから、このパソコンの無線LAN機能がオフになっている可能性があり、先ずそのチェックをしなければならない。素人ながらマイホームでの無線LAN歴9年の私の経験からだ(弊ブログ「ネット環境の完全無線化」参照 id:oginos:20120408)。ところが、無線LAN機能のオン・オフをするスイッチが見当らない。私が今まで見たノートパソコンでは、このスイッチはキーボードの前面か側面に付いているが、このパソコンではスイッチもインジケータも見当らない。
 このパソコンのブランドはFRONTIERとあるが(後述)、マニュアルも事務所には無いし、マニュアル・ファイルがパソコンの中に入っているかと探したが無い。ネットが活きている別のパソコンでFRONTIERのHPを見たがよく判らない。
(無線LANスイッチの発見)
 別のパソコンを使い、バッファロー(無線LAN機器等のメーカー)のHPで調べて見ると、パソコン側の無線LANスイッチには、筐体の前/側面に付いているものと、ファンクションキーで操作するものとがあるとのことだ。ファンクションキーで操作するとは、キーボード上の最下段(普通左側)にある「FN」キーと、キーボードの最上段に並んでいる「F1」から「F12」までのキー(ファンクションキー)のうちの1つとを同時に押すことを言う(「ホットキー」の一種)。
 このホットキーの可能性については、途中で試みようかと思ったのだが、そのファンクションキー上のアイコンが理解できなかったので、試みていなかった。しかし他に方法が見つからないので、一番怪しいアイコン(図の6型)が付いているF8(F7だったかも知れない)キーとFNキーとを押した。すると、筐体前面に並んでいるインジケータ類の中で同じアイコンが付されたインジケータがおずおずと点灯した。これで無事ネットに繋がった。
 ではパソコンに繋がっていたLANケーブルは何だったのだろうか。プリンターを共有するLANに繋がっているのかも知れない。今度行った時に確認してみよう。
 ちなみに帰ってから自分のパソコンの無線LANスイッチを確認したら、同じようなホットキー方式で、F8キーを利用するものだった。同キーに付されているアイコンは普通のものだ(次項で説明。図の1型)。
(無線LANスイッチ、インジケータのアイコン)

 翌日、(下駄履き感覚の距離にある)近くのコジマ電気に行って、各社のパソコンの無線LAN用スイッチないしそのインジケータの場所とアイコンの図像を調べてきた。店では各パソコンの側面などばかりを覗いていたので少し異様だったかも知れない。平日の昼間なので客は少なく、店員が何人か寄ってくるので、適当にごまかしつつ、ざっと見た。FRONTIERは無かったがこれは予想通りで、店員に聞いたが、やはりヤマダ電機系列のものだから置いてないということだ。BTOパソコン(後述)では、マウスコンピューターのものがあった。
 このコジマ電気でのざっと見に加え、ウェブをいろいろチェックした結果の報告だが、無線LANのスイッチやそのインジケータに使われているアイコンは概ね6種類に分かれる。ウェブから写真を抜き取って別図にまとめた*1。大体このような部分の写真を鮮明に載せているページは殆ど無く、残念ながら不鮮明な写真ばかりだ。それから、前述のようにざっと見たものなので、抜けがあり得る。

1型 一番多い。このタイプの変形と見られるものも多い。
2型 普通で、多少変形したものもある。1型、2型とも電波がアンテナから送受信される様子が連想されて、(慣れれば)理解しやすい。
3型 携帯電話などでアンテナの本数で受信状態を示すアイコンに似ている。このように無線LANを示すものとしても使われる場合があるようだ。
4型 「wireless lan」と文字で書いてあり、英語を解する人には誤解が無い。
5型 NECのパソコンにある。これは我が家の家人のパソコンなので私としては馴染みが深いが、何の図像だろう。他のメーカーでは見られない。
6型 FRONTIERのパソコンで使われている。これは何の図像だろうか。無線LANを連想することは困難だろう。

 私がFRONTIERパソコンの無線LANスイッチを探すのに苦労したことが理解してもらえたかと思う。これだけ無線LANが普及したのだから、IEEEも技術仕様だけでなく、アイコンも標準化してほしいと思う。ちなみに同じ無線のBluetoothでは、アイコンは見事に統一されている(図像は省略)。
(BOTパソコン)
 このようなマイナーな(?)無線LANアイコンを使っているFRONTIERとは何か。私も直に触れてみたのは初めてだ。調べると、FRONTIERとは、通称「フロンティア神代(こうじろ)」社のブランドで、同社はBTOパソコン(Built to Order。注文に応じて作るパソコン)の老舗とのことだ。
http://www.frontier-k.co.jp/index.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/KOUZIRO
 Wikipediaの同ページによれば、同社は、1981年に山口県柳井市*2でコンピュータ販売を開始し、1993年からオリジナルブランド「FRONTIER」シリーズを発売した。2004年にヤマダ電機の子会社となり、社名を「KOUJIRO」に改めた。コスト・パフォーマンスで定評があるとのことだ。
 BTOパソコンについては、素人の私としては近づきがたく、あまり知らなかったが、次にあるように、相当のメーカーがあって中小企業も頑張っているようだ。ちょっと怖いが私も次のパソコンを買う際には検討の対象に加えようかとの気持になった。
http://btopcraking.web.fc2.com/
(余談、iPhone5のマニュアルが無い問題)
 FRONTIERは、事務所にマニュアルが無くて困ったが、ウェブで見てもマニュアルが載っていない。マニュアルが無いことでは、家人が先月(9月)に発売早々のiPhone5を買ったが、これは本当に最初から紙のマニュアルが無い。
 iPhone5を買ってから1週間ほど経って、使っている家人が電話やメールの着信音が鳴らないと言う。電話機の中の設定等を開き、音量を大きくしても駄目だ。私はウェブでいろいろ調べ、iPhone5の基本的使い方という動画を探し出した。この動画で、着信音のオンオフは電話機の左側にあるスイッチで行うということが判った(ワンタッチでできるので、音を直ぐに消したい場合には、知っていれば便利だ)。こんな基本的な使い方は冊子のマニュアルを作って書いておいてほしいと思う。動画だと目的とする項目を探し出すのに時間が掛かる。
 最初から当惑したのは、数年前にiPadを家人が買ったときだ。電源を入れても、画面に矢印が出るだけで、何処に触れても開かない。この時もウェブをいろいろ探して見つけたのは、あるブログだった。そこには、幼児にiPadを与えてどうするかを観察していた記録が出ていた。幼児は数回触ったあと、矢印に従い、指を画面上で滑らすことを発見したとのことだ(この操作は、スライドやドラッグという)。私は、iPadを触っていただけでは発見できず、このブログを読んで初めて知った。大人が幼児に負けるという笑い話だ。
 しかし私は、少なくとも基本的な使い方、望ましくはできるだけ多くの使い方を記載した紙のマニュアルを用意して商品に添付してもらいたいと思う。アップル社の方針は不満だ。使い方を発見する過程での(私のような)大人の時間の無駄は大きい。

*1:参考までに、この図の作り方を説明する。複数のダウンロード写真からアイコン部分を切り取って、文字のキャプション等をつけなければいけないので、Wordで編集するのが便利だ。しかしWordファイルは、ブログの添付ファイルにはなるが(見にくい)、本文には張り付けられない。それでWordファイルを写真などのjpegファイルに変換したい。そのためのソフトを探したら無料の「CubePDF」というのを見つけ、これを使ったが便利だった。なお名称はPDFだが、jpegファイルなどにも変換できる。

*2:余談だが、柳井市といえば、1974年4月から1年間放送されたNHKの朝の連続ドラマ「鳩子の海」の重要な舞台だった。私は当時たまたま出張で、柳井から松山(三津浜)にフェリーで渡り、意味なく喜んでいた。同ドラマのあらすじは全く覚えていず、Wikipediaにも出ていないが、次で見つけた。http://hon-yuuki.com/2008/03/post_4.html