21世紀の節目

1) 21世紀の節目
 今週末すなわち2013年6月末は、21世紀の8分の1に相当する。説明すると、2001年1月に始まった21世紀は、今月末で100年=1,200月の8分の1に当る150月が経過する訳だ。つい最近始まったばかりと思っていた21世紀も、早や8分の1が過ぎるのかと思うと、1つの節目に達したようで、何か感慨深い。
 タイトルの「21世紀の節目」とは、私の勝手な命名で、21世紀100年間が整数できれいに割り切れる場合にその整数分の1を経過した時点を言う。年数ベースだと、100年の約数の場合割り切れ、2001年末(100分の1)、2002年末(50分の1)、2004年末(25分の1)、2005年末(20分の1)、2010年末(10分の1)、2020年末(5分の1)、2025年末(4分の1)、2050年末(2分の1)がこの節目となる。自明の時点が並んで面白くないし、数も少ない。これを月数で考えると、100年は1200月になり、約数も多くなる。今月末は、月数ベースでの節目の1つだ。
 こういうことは、面白いと思わない人には全く面白くないことで、私も実際はそんなに面白いこととは思わない。そのことを十分承知のうえ、8分の1の節目の日を機会として、以下、かねて考えていた各種の節目について述べて行く。1)21世紀については、月数ベース、日数ベース、時間ベース等の節目を、更に、2)2000年代(ミレニアム)についても、月数ベース、日数ベースの節目を検討する。数字が多く出てくるが、小学生でも計算できることだ。話があまり脱線しない範囲で、幾つかコラムを挿入した。
 内容は薄く、何の役にも立たないが、約6,600字と長くなった。ご容赦を。
(月数ベースの21世紀の節目)
 100年=1200月の約数は多いので、節目も多い。表1では、そのうち、25分の1以降を掲げた。10分の1を過ぎた辺りから、段々間遠になる。今回の8分の1を過ぎると4年後まで無い。
(表1) 21世紀の節目 (2004年12月以降)
 (2001年1月を始期とする100年間(1,200月)の整数分の1の節目)

整数分の1 月数 節目の年月
25分の1 48月 2004年12月末
24分の1 50月 2005年2月末
20分の1 60月 2005年12月末
16分の1 75月 2007年3月末
15分の1 80月 2007年8月末
12分の1 100月 2009年4月末
10分の1 120月 2010年12月末
8分の1 150月 2013年6月末
6分の1 200月 2017年8月末
5分の1 240月 2020年12月末
4分の1 300月 2025年12月末
3分の1 400月 2034年4月末
2分の1 600月 2050年12月末

 もちろん、この表の2004年12月末以前にも沢山ある。
1200分の1(2001/1月末)、600分の1(2001/2)、400分の1(2001/3)、300分の1(2001/4)、240分の1(2001/5)、200分の1(2001/6)、150分の1(2001/8)、120分の1(2001/10)、100分の1(2001/12)、80分の1(2002/3)、75分の1(2002/4)、60分の1(2002/8)、50分の1(2002/12)、48分の1(2003/1)、40分の1(2003/6)、30分の1(2004/4)、25分の1(2004/12)で、表1につながる。
 最初の2001年は、ほぼ毎月に近く節目が訪れ、あっという間に100分の1になって楽しかった。
(日数ベースの節目)
 上記に準じて日数ベースの節目を考えるために、先ず21世紀のトータル日数をカウントする。2001/1/1から2100/12/31までの間の日数は
365日/年×100年+24日=36,524日だ。(ここで24日はうるう年の年数で、グレゴリア暦では2100年はうるう年ではない*1ので、24となる)
36,524を素因数分解すると、2×2×23×397
従って、約数は、2、4、23、46、92、397、794、1,588、9,131、18.262
 本2013年に近い節目は、4分の1か23分の1で、相当離れているので、具体的には紹介しない。
ちなみに、今後の節目であり、かつ月数1,200の約数と共通の約数である4、2について節目を見ると、4分の1(9,131日)は2025/12/31、2分の1(18,262日)は2050/12/31で、上記の月数ベースの節目と一致する。これは当然かというとそうではなく、他の世紀では事情が異なってくる。
 例えば20世紀(1901/1/1から2000/12/31まで)の月数は、21世紀と同じ1,200月だが、日数は、2000年がうるう年であることから、1日多く、36,525日となる。
36,525日を素因数分解すると、3×5×5×487
約数は、3、5、15、25、75、487、1,461、2,435、7,305、12,175
 21世紀の日数と共通の約数は無いが、月数ベース(1200月)と共通の約数は、3、5、15、25、75がある。これで、20世紀の節目の月数ベースと日数ベースとを比較する。
(表2) 20世紀の節目(月数、日数ベース)の比較
 (1901年1月ないし1月1日を始期とする100年間(1,200月ないし36,525日)の整数分の1の節目)

整数分の1 月数 節目の年月 日数 日ベースの節目の年月日
75分の1 16月 1902年4月末 487日 1902年5月2日夜
25分の1 48月 1904年12月末 1,461日 1904年12月31日夜
15分の1 80月 1907年8月末 2,435日 1907年9月1日夜
5分の1 240月 1920年12月末 7,305日 1920年12月31日夜
3分の1 400月 1934年4月末 12,175日 1934年5月2日夜

 25分の1と5分の1は、月数ベースでも日数ベースでも同じ時点が節目となるが(両者とも年末)、他の節目は異なる(年の途中)。
(時間ベース)
 次いで、時間ベースの節目を調べよう。
 21世紀の100年間は、36,524日×24時間で、876,576時間。素因数分解すると、
876,576=2^5×3×23×397 (2^5は2の5乗で32)
 詳細にチェックするのも煩瑣なので、現時点に近い8分の1の節目を調べる。
876,576時×1/8 = 109,572時 = 4,565日プラス12時
 2001年1月1日から4,565日目は2013年7月1日夜なので、それに12時間プラスして、時間ベースの21世紀の8分の1の節目は、2013年7月2日昼12時となる。月数ベースの8分の1は、上述のとおり6月30日夜だったから、1日半遅れる。節目としてはこちらの方がより正確だ。
(その他)
 分ベースの節目も同じように計算されるが、煩瑣なので省略する。
 ただ、秒ベースについては同様な計算は困難な旨補足する。すなわち、秒については、「うるう秒」という数年に1度の補正がある。詳細はWikipediaを参照されたい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%8F%E7%A7%92
 うるう秒は、地球の自転速度の変動の影響を補正するためのもので、1972年以降現在まで計25回、うるう秒として各1秒が追加された。21世紀になっても2005年、2008年、昨2012年と3回行われている。今後いつ追加されるか、減らされるか、また廃止されるかいろいろ意見があるようだ。ということで、21世紀のトータル秒数が現時点では判らないし、かつその秒数に約数がどのように含まれるか判らないので、秒ベースの節目の算出は現時点では困難だ。
2) 2000年代(ミレニアム)の節目
 西暦2000年は、今から思い起すとミレニアムとして騒がしかった。コンピューターの誤作動の可能性を示唆する2000年問題(Y2K、Year 2 kilo)も懐かしい。

(コラム) 21世紀は何年から始まるか
 ミレニアムの2000年の頃、21世紀は2001年ではなく2000年から始まるとする議論もあった。これはおかしくて、21世紀が2000年からなら、20世紀は1900年からとなり、さかのぼって行くとそれでは1世紀は何年からかとなる。紀元0年が無い以上、紀元1年から1世紀は始まり、順次下って21世紀は2001年から開始となる。紀元0年がある暦については、次のコラムを参照。

(コラム) インドの暦は紀元0年から始まる
 世界は広くて、インドでは、西暦1957年にインド国定暦が定められたが、この紀元は0年だ。インドの暦について、少し説明すると、かねて各種の民間暦があり、それを統一するため、民間暦の1つのサカ暦(シャカ暦とも)をベースにした国定暦を定めたとのこと。国定暦は、サカ暦と同じく西暦78年を紀元0年にしている。ただ、サカ暦を含む各民間暦は太陰太陽暦だが、新しい国定暦は太陽暦だ。同じ太陽暦のグレゴリア暦と違うのは、1年の始まりが3月22日(うるう年は3月21日)であること、1年の月数は12で同じだが、各月の日数が異なることだ。
 国定暦が定められても、従来の各種民間暦は用いられているようで(市販の暦には、国定暦の他、西暦も含め複数の暦が書かれているとのこと)、それらの基本は「満」方式(紀元0年から始まる)だそうだ。西暦やその他のイスラム紀元、元号などは、「数え」方式で紀元1年から始まる。世紀も同じ「数え」だ。ただ、インドでも、基本は「満」だが、時々あえて断って「数え」が使われる場合があるというので紛らわしい。どういう場合なのだろうか。次は参考とした資料。
〇 矢野道雄「占星術師たちのインド−暦と占いの文化」(中公新書、1992年7月発行)
〇 Wikipediaインド国定暦http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E5%9B%BD%E5%AE%9A%E6%9A%A6
 紀元が0年のインド暦に「世紀」があるかどうかは、上記の文献では不明だが、最初の100年(0-99年)は「0世紀」と呼べそうだ。この順で行けば、1900年から始まる100年(1900-1999)は19世紀、2000年から始まる100年(2000-2099)は20世紀と呼べる。学生の頃、歴史の年代を暗記する時に、例えば、明治維新は1868年だから1800年代、しかし世紀では19世紀と、数字を2種類覚えなければいけなくて苦労したのが夢のようだ。さすが、ゼロを発明したとされるインド人は素晴らしい。インド人は数学、ITに強いと言われるが、歴史にも強いのではなかろうか(未確認)。

 2000年代についても節目を検討する。
 先ず2000年代というと3種類あることに注意しなければならない。a)2000-2009年の10年間、b)2000-2099年の100年間、c)2000-2999年の1000年間だ。ここでは便宜的に、a)2000年代(10)、b)2000年代(100)、c)2000年代(ミレニアム)と呼ぶ。なお、b) 2000年代(100)と21世紀とは同じ100年間だが、始まりの年が1年違うことに注意。
(2000年代(10) )
 2000年代(10)は、今では終ったので、検討は省略する。月数は120、日数は3,653(=13×281)時間は87,672時(=2^3×3×13×281)

(コラム) 2000年代(10)を何と呼ぶか
 余談だが、1990年代を90年代などと呼んだのに対し、この2000年代(10)の呼び方が無かったのが困った。苦労して「ゼロ年代」と呼んでいた批評家もいた。英語でも難しい。どう呼ぼうかと悩んでいた記事が昔のTIME誌に出ていた。
英語では次の2010年代も難しい。というのは、英語で20年代以降はtwenties、thirtiesなどと言えるが、10年代は、10-12は、ten、eleven、twelveで、13以降はthirteen、fourteenなどと語尾にteenが付くという風になる。teensという呼び方をしたいが、13以降を指すのではということで、抵抗感があるようだ。
 日本語の数の読み方は単純で、「10年代」と呼べてよかったと思う。

(2000年代(100) )
 月数ベースは、前に述べた21世紀の節目を1年前倒しにすればいいので、容易だ。
 日数ベースは、21世紀は前述のとおり、36,524日だが、2000年代(100)は、2000年もうるう年なので、36,525日と20世紀と同じ日数になる。その時の計算を99年ずらせばいいのだが、本2013年前後では節目に当る時点がなかなか無いので省略する。
 ただ、整数分の1の節目ではないが、2000年代に入ってから(すなわち2000/1/1から数えて)ちょうど5,000日目が本2013年9月8日だ。ミレニアム5,000日という記念日はどうだろう。人間でいうと13歳と9か月、中学生だ。
(2000年代(ミレニアム)の月数ベース)
 この1000年間には12,000月ある。その75分の1の160月目が、本2013年4月末だった。ミレニアム、1000年間というと大変な長期間のように思っていたが、早や75分の1も過ぎたのかと思う。
 12,000の素因数分解は2^5×3×5^3 (2^5は2の5乗で32など)と賑やかだから、ミレニアムの節目は割に多い。そのうちの2009年から2030年辺りまでの節目を表に掲げる。
(表3) 2000年代(ミレニアム)の節目(2009年から2030年までの間)
 (2000年1月を始期とする1000年間(12,000月)の整数分の1の節目)

整数分の1 月数 節目の年月
100分の1 120月 2009年12月末
96分の1 125月 2010年5月末
80分の1 150月 2012年6月末
75分の1 160月 2013年4月末
60分の1 200月 2016年8月末
50分の1 240月 2019年12月末
48分の1 250月 2020年10月末
40分の1 300月 2024年12月末

(同、日数ベース)
 2000年代(ミレニアム)のトータル日数は、うるう年の数を数えれば計算できる。グレゴリア暦では、400年間に97回のうるう年がある、などを考慮して、2000年代のうるう年は243回。これより、2000年代の日数は、365日×1000年+243で、365,243日だ。これを素因数分解すると、365,243=227×1609 で止まってしまう。2つしかなくて余り面白くない。
 3000年から始まる次の1000年間(3000年代(ミレニアム) )は、うるう年が1回少なく、日数は365,242日となる。これの素因数分解は少し賑やかで、365,242=2×31×43×137 だ。2000年代よりは節目がもう少し出てくるであろう。
 以上は、グレゴリア暦の暦法を前提にしている。グレゴリア暦は、1年を365.2425日とする近似値を使っているが、実際の1太陽年は365.2422日だ(これも近似値だが)。従って、1年につき約1万分の3日の誤差があり、ミレニアムの1000年間では0.3日、2000年間では0.6日のズレが生じてくる。グレゴリア暦が定められたのは1582年だから、3000年代(ミレニアム)の末になってもそのズレは1日未満に収まる。グレゴリア暦の修正という問題には多分ならないであろう。むしろ、かねて唱えられている世界暦が実現する可能性はあるかも知れない。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%9A%A6 ただ、世界暦は、曜日が年によって変るのを改訂したいとの趣旨なので、うるう年、1年の月数は現行暦と同じで、上記の議論には変更が出ないはずだ。
 ミレニアムにおける時間ベース等の節目については、煩瑣なので省略する(約数として24があることは確か)。

*1:小学生が読んでいるかも知れないので解説。グレゴリア暦では、4で割れる年はうるう年、ただし、100で割れ切れる年の場合は、400で割れるときのみうるう年。従って、2000年はうるう年、2100年、2200年は平年。