読書

大往生したけりゃ医療とかかわるな

次の本の広告が新聞に縦3段、横1ページ分で大きく出ていたので興味を持ち、買った。 ○ 中村仁一「大往生したけりゃ医療とかかわるな−自然死のすすめ」(幻冬舎新書、2012年1月1刷発行) たまたま同じ頃、次の新刊と雑誌が出ていて買った。NHKの番組も見た。 ○ 近…

裏切りのサーカス

4月20日(金)の日経新聞夕刊の「シネマ万華鏡」欄(映画紹介欄)で、「裏切りのサーカス」が紹介されていた*1。評価は星4つだ(最高は星5つだが滅多に出ない)。評価の高さもさることながら、原作はジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」だとい…

パブリックとプライバシー

友人に薦められて次の本を買った。 ジェフ・ジャービス「パブリック−開かれたネットの価値を最大化せよ」(小林弘人 監修・解説、関美和 訳、NHK出版、2011年11月1刷発行、原著名 Public Parts: How Sharing to the Digital Age Improves the Way We Work and …

福島原発民間事故調

福島原発事故独立検証委員会(いわゆる「民間事故調」)の報告書が2月28日に発表された。約400ページの大作だ。 http://rebuildjpn.org/wp/wp-content/uploads/2012/02/34fc7150633ba79554ff4c9c9d29885a.pdf 昨年末12月26日には、政府の事故調査・検証委員会(畑…

暇と退屈の倫理学

○ 國分功一郎「暇と退屈の倫理学」(朝日出版社、2011年10月初版) 新聞の書評*1を読んで、タイトルに興味を持って買った。私もそのうち職が無くなって暇になる。その時に何をしようか、退屈にさいなまれるのか、という不安だ。 読み始めると、序章に「本書は一息…

日本シンドローム

標題は、9月23日の弊ブログの「チャイナシンドローム」(id:oginos:20110923)とは別で、経済の話だ。米国雑誌TIME誌10月31日号に、標記のタイトルの Michael Schuman氏のエッセイが掲載された。ウェブ版では、http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171…

孫への贈与論

先日、孫への贈り物に関する考え方が、家人のそれとの間で基本的違いがあることに気づき、少からずびっくりした。それで贈与について少し勉強しようと思った。以下、1)家人との考え方の違い、2)モースの「贈与論」の概要、3)どうでもいいような若干の考察を紹…

日本中枢の崩壊

A) 古賀茂明 「日本中枢の崩壊」(講談社、2011年5月13日第1刷) B) 古賀茂明 「官僚の責任」(PHP新書、2011年7月29日、第1版第1刷) 話題の著者である。私は全く面識が無いが、次に関心があって、Aを買って読み(6月初旬)、知人に貸したら、知人がBを買い、私に貸し…

老いる覚悟

田舎にいる兄に薦められて次の本を読んだ。 ○ 森村誠一「老いる覚悟」(ベスト新書、2011年5月発行) 著者は推理小説作家として有名だが、こんな本も書いているのは知らなかった。前にも兄に薦められて、曽野綾子著「老いの才覚」を読み、このブログでも紹介した(i…

携帯電話電磁波の脳への影響

TIMEの2011年6月13日号(アジア版)に、気になる記事があった。 「新しい調査報告により、携帯電話と腫瘍に関する論争が再燃」*1 私は、たまたま昨年11月に次の本を買っていて、この問題には関心があった。 ○矢部武「携帯電磁波の人体影響」(集英社新書2010年11…

不破哲三・時代の証言

○ 不破哲三「時代の証言」(中央公論新社、2011年3月) 新聞の書評で紹介されていたので買った。書評がよかった訳ではないし、不破のファンでもない。3年前に次の本を読んで、日本共産党の実態に唖然としたことがあり、その党の指導者の著書ということで興味を持…

真なるものは甚だ少なく

通勤途上にある寺(東京都港区)の玄関に黒板があって、法語が1-2週間に1回ぐらいで更新されて掲げてある。今書かれているのは次であるが、何時もわだかまりを感じる。 真なるものははなはだ少なく、偽なるものははなはだ多い 私の反発は、現代人の悩みは、真…

老いの才覚

○曽野綾子「老いの才覚」(ベスト新書、2010年9月) 先週末に、田舎の兄に雪見舞いの電話をしていた時に、この本を薦められた。兄は7歳上だがよく本を読んでいる。かねて本屋に積み重なったいた本で関心はあったので、薦められた機会に買った。 なかなか面白か…

フェースブック

昨年暮の話だが、米国のTime誌恒例の2010年のPerson of the Year が、facebook(フェースブック)の創業者マーク・ザッカーバーグに決まった(同誌2010年12月15日号)。 http://www.time.com/time/specials/packages/article/0,28804,2036683_2037183_2037185,00…

アリアドネの弾丸とAi(死亡時画像診断)

海堂 尊「アリアドネの弾丸」(宝島社2010年9月) この本を買うきっかけは、11月に読んだ「あらたにす」(3大全国紙を一目で見れるウェブ)の「書評」→「著者に聞く」欄の記事だ。 http://allatanys.jp/C004/L0008M0060S1498TE004.html 記事を読み出したきっかけは単純…

知的余生の方法

渡部昇一「知的余生の方法」(新潮新書、2010年11月発行) 30年前に、渡部昇一の「知的生活の方法」(講談社現代新書1976年。私が読んだのは数年後)を読んで感激した。同書の勧めに従って、ハマトンの「知的生活」(講談社1979年)、「知的人間関係」(講談社1981年)も購入…

死ねばいいのに

○京極夏彦「死ねばいいのに」(講談社2010年5月) 本書については、内容もさることながら、読んだ形態について先ず紹介する。形態は携帯電話にダウンロードしたもの。私が読み出したのは、この9月だが、単行本が5月15日に出版された。それで5月中に電子書籍とし…

ハーバード白熱教室@東京大学

9月26日(日)のNHK教育テレビのETV特集「ハーバード白熱教室@東京大学」(午後10時から11時30分)を見た。これは、2010年4月から同テレビで12回に渡り放送された「ハーバード白熱教室」のサンデル教授が、8月25日に東京大学安田講堂で講演したものを編集した放送で…

「金融工学」は何をしてきたのか

今野浩「「金融工学」は何をしてきたのか」日本経済新聞出版社2009年10月 前項の記事と同様、9月7日のこのブログで消極的に紹介した「スプートニクの落とし子たち」の著者の本である。港区図書館のネットの検索システムで、著者の新しい本を探し、予約した。 この…

すべて僕に任せてください

今野浩「すべて僕に任せてください-東工大モーレツ天才助教授の悲劇」新潮社2009年4月 9月7日のこのブログでやや否定的に紹介した「スプートニクの落とし子たち」の著者が、1年前に書いた本。書評などでも紹介されていてかねて若干の関心はあったが、「スプートニ…

スプートニクの落とし子たち

今野浩「スプートニクの落とし子たち−理工系エリートの栄光と挫折」(毎日新聞社、2010/6/19発行)を読んで相当がっかりした。著者は、1940年生まれ、日比谷高校から東京大学応用物理学科数理工学コースを1963年に卒業して、電力中研の後、筑波大、東工大、中…

高度成長期通産政策史の証言

通産省の先輩の岡部武尚氏が出版された本を読んだ。 岡部武尚「「ハイテク」維新「日本産業」覇者の道」(2010年7月(株)ベストブック) 面白かった。著者に感想メールを送った。以下、そのメールの転載(全く個人的な部分は省略。また、若干の注的な修正をしてある)…

母べえ

先週末の1月31日(日)にテレビで、「母べえ」の映画(2007年)を見た(山田洋次監督、吉永小百合主演)。 2時間39分の長番組(CMを含む)で疲れたが、違和感が残り、泣けもしなかった(最近、涙を流せる映画が見たいと思うが、殆どが不発)。違和感は、例えば、a)父親が…

なぜフェミニズムは没落したか

荷宮和子「なぜフェミニズムは没落したか」(中公新書ラクレ、2004年12月)面白かった。 取りあえずキーワードを挙げる。 フェミニストのようなものスト 自分より劣っている男が社会で女性より優遇されているのに我慢できない。 80年代フェミニストと80年代女性 …

アジアの暦

岡田芳朗「アジアの暦」(あじあブックス、大修館書店、2002年12月) インド国定暦(1957制定)に紀元0年があるとの情報(ウェブ)を見て、図書検索をし、みなと図書館から借りた(2009/12/18) 香港の暦 通書というのが、記載事項が多く面白そう。 ベトナムの暦 中国…

魔女と聖女

池上俊一「魔女と聖女」講談社現代新書1992年11月 ISBN4-06-149125-3面白かった。魔女と聖女だけでなく、異端との関係、聖女の男装、拒食、恍惚など面白い。 それにしても、(1)宗教とは、特にキリスト教とは何なんだろう、(2)偏執的な女性蔑視は何でだろう、と…

図解雑学「密教」

編著者:頼富本宏、(株)ナツメ社発行、2005年11月 ISBN4-8163-4038-6砧図書館で借りた。面白い。 モンゴル仏教がチベットから入った。 曼荼羅には、金剛界曼荼羅−金剛頂経と胎蔵曼荼羅−大日経があってと言う理解できない話が多い。 仏(像)には、如来、菩薩、…